交通事故
交通事故と保険会社との対応まとめ
交通事故で治療中に、保険会社から症状固定(保険対応の打ち切り)と言われたら
【治療中止に至る一般的なケース】
交通事故で怪我をして治療していたのに、加害者側の保険会社から、
「むち打ちの治療は通常3カ月から6カ月なので、もう症状固定です。」
「症状固定だから保険対応を打ち切ります。」
「後遺障害診断書を書いてもらってください」。
などと言われ、あるいは、主治医の先生が「保険会社が症状固定というので。」と言って、
治療を中止することがあります。
というより、このようにして治療が打ち切られることがほとんどです。
そして、医師が症状固定と診断した場合、裁判所もその判断を尊重するケースが多いのが実情です。
果たして、加害者側保険会社の見解を鵜呑みにして、治療を中止してよいでしょうか。
症状固定とは
裁判実務上「症状固定」とは、
「傷病に対して行われる医学上一般に承認された治療方法をもってしてもその効果が
期待し得ない状態であって、残存する症状が自然的経過によって到達すると認められる
最終の状態に達したことをいう」
(東京高等裁判所平成23年(ネ)第1829号損害賠償請求控訴事件など)とされています。
「治療をしても症状に改善が認められない状態」
「治療効果が見込めない状態」
などとも言われます。
症状固定≠完治
注意していただきたいのは、治療をして一時的に症状が改善しても、
しばらくすると元通りの悪い状態になるといったように、症状が一進一退を繰り返す場合は、
痛みや痺れなどの症状が残存していたとしても、症状固定とされるということです。
そのため、症状固定と完治とは異なる概念であることに注意が必要です。
症状固定時に症状が残存していた場合には後遺障害の認定を受けて、
後遺障害に応じた適切な賠償を受けるということになります。
いずれにしても、症状固定時期に争いがあれば、最終的には、
医師の診断や治療経過を基に、裁判所が判断することになります。
決して加害者側保険会社が決定できるものではないですし、
加害者側保険会社が保険対応を打ち切るからと言って、
医師が症状固定と判断するのも本末転倒です。
また、本来、被害者の方の症状に応じて症状固定時期は千差万別です。
加害者側の保険会社が保険対応を打ち切ったとしても、
症状固定と評価できない場合は、安易に症状固定とせず、
費用を負担してでも治療を続けるべきです。
そして、その費用は、後の裁判等で賠償してもらえる可能性があるのです。
交通事故と治療費請求
治療費打ち切りへの対応
症状固定というのは、「治療効果が見込めない状態」をいいますから、
逆にいえば、治療により症状が改善すれば、症状固定時期ではないということになります。
そこで、症状が改善しているか、症状改善の見込みがあるかを明らかにして、
保険会社等と交渉していくことになります。
当事務所では、担当医に直接面談し、最近まで症状が改善傾向にあるかや、
今後治療を続ければ症状改善の見込みがあるかなどをお尋ねしたり、
当事者の方からの聴き取りをするなどして、証拠化して、
保険会社と症状固定時期について交渉することがよくあります。
症状固定時期が異なれば、治療費、休業損害額、通院に応じた慰謝料額など、
請求できる賠償額全般に影響を及ぼしますので、
保険会社から打ち切りといわれても、鵜呑みにすることなく、
主治医や専門家に相談されることをお勧めいたします。