最近のニュースについて
子の引渡しの保全命令 など
最近、元スポーツ選手のお子さんを巡って、報道があります。
子の引渡しの保全命令について、「非常に異例」との言及がありましたが、
これはよくあることなので、少し違和感がありました。
例えば、お母さんがお子さんを連れて別居に及んだとします(日本国内同士)。
そうすると、お父さんは、
・子の引渡し(本案)審判申立て それから、それを保全するための、
・子の引渡しの保全申立て の二つを申し立てることは、多々あります。
そして、保全申立てが維持されれば、裁判所は何らかの判断を下しますので、
保全命令が発出されること自体は、珍しくはありません。
ただ、「本案」の方と結論を整合させる必要があるので、
(違う判断をして、お子さんが行ったり来たりするのはお子さんにとって不利益)
本案の判断に統合させて(保全を取り下げて)判断をもらう、ということもよくあります。
この件は、お子さんの移動が国境を跨いでいる、というのが特徴です。
ハーグ条約加盟国同士(日本は批准)であれば法的にはシンプルですが、
台湾が加盟していないため、検討事項が複雑なようです。
ハーグ条約については、
第二東京弁護士会の解説がまとまっていて分かりやすいですね。