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交通事故

保険会社から症状固定、保険打ち切りと言われたら(その2)症状固定とは

第2回…【症状固定」とは】
裁判実務上「症状固定」とは、
「傷病に対して行われる医学上一般に承認された治療方法をもってしてもその効果が
期待し得ない状態であって、残存する症状が自然的経過によって到達すると認められる
最終の状態に達したことをいう」
(東京高等裁判所平成23年(ネ)第1829号損害賠償請求控訴事件など)とされています。

「治療をしても症状に改善が認められない状態」
「治療効果が見込めない状態」
などとも言われます。

症状固定≠完治

注意していただきたいのは、治療をして一時的に症状が改善しても、
しばらくすると元通りの悪い状態になるといったように、症状が一進一退を繰り返す場合は、
痛みや痺れなどの症状が残存していたとしても、症状固定とされるということです。
そのため、症状固定と完治とは異なる概念であることに注意が必要です。
症状固定時に症状が残存していた場合には後遺障害の認定を受けて、
後遺障害に応じた適切な賠償を受けるということになります。

いずれにしても、症状固定時期に争いがあれば、最終的には、
医師の診断や治療経過を基に、裁判所が判断することになります。

決して加害者側保険会社が決定できるものではないですし、
加害者側保険会社が保険対応を打ち切るからと言って、
医師が症状固定と判断するのも本末転倒です。

また、本来、被害者の方の症状に応じて症状固定時期は千差万別です。

加害者側の保険会社が保険対応を打ち切ったとしても、
症状固定と評価できない場合は、安易に症状固定とせず、
費用を負担してでも治療を続けるべきです。
そして、その費用は、後の裁判等で賠償してもらえる可能性があるのです。

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