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取扱分野

交通事故

当事務所の強み

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損害保険会社の会社側代理人を5年間務めていた弁護士が在籍しており、交通事故分野の取扱件数が豊富です。

2

法的問題の処理だけでなく、お体の状態やお気持ちに寄り添えるよう、細やかなサポートを行います。

損害賠償請求(人損・物損)とは?

1 損害賠償請求
交通事故で被った損害を加害者に請求することを、法律上は「不法行為による損害賠償請求」といいます。簡単に言えば、事故で強いられた出費分などを加害者から払ってもらうということです。

2 人損と物損
交通事故では、人損(じんそん)と物損(ぶっそん)という言葉をよく耳にされると思います。
簡単に言えば、人損とは、お怪我をしたことによる損害で、物損とは、車に生じた損害です。

人損
主な内容:治療費、通院交通費、休業損害、慰謝料、逸失利益など。
自賠責保険:適用される。

物損
主な内容:修理費、代車費用など。格落ち損害(評価損)、積荷損害、買替諸費用も損害に計上されることがあります。
自賠責保険:適用されない。

人損も物損も損害という点では同じですが、物損には自賠責保険が適用されません。そのため、物損の場合、加害者又は加害者の契約している保険会社から支払ってもらうほかありません。回収できないような場合に備えて、自分の保険に車両保険をつけておかれる方が安心です。

3 人身事故扱いと人損の支払
ちなみに、いわゆる人身事故扱いにすべきかどうかということをよく聞きますが、人身事故扱いにした場合、交通事故証明書の右下の欄に人身事故と記載され、刑事事件の対象となってきます。
人身事故扱いにしなければ、物損事故のみと扱われて治療費を払ってもらえないのではないかとも思われますが、人身事故扱いにしなくても、保険会社が事故により怪我が発生したと認定すれば、人損部分について支払ってくれます(その代わりきちんと保険会社には通院することについて連絡し、保険対応についての確認をとっておくべきです)。

過失相殺とは?

1 過失相殺
過失相殺とは、被害者にも落ち度(過失)がある場合に、その落ち度の割合に応じて損害を一部減額することをいいます。

具体例
修理費:50万円
過失割合:加害者8割(0.8) 被害者2割(0.2)
賠償額:40万円 = 50万円×(1-0.2)

停止中に追突された場合や、赤信号無視の場合には、過失相殺されることはほぼありませんが、進路変更車との事故や、交差点での事故など、具体的な事故態様に応じて過失割合が決まり、過失相殺されることになります。
交通事故については、過失割合が基準化されていて、裁判例も豊富に存在しますので、過失割合についてはある程度予測することができます。相手方から提示された過失割合に納得できない場合などには弁護士にご相談されることをお勧めします。

2 自賠責保険における過失減額
なお、自賠責保険においては、被害者救済のため、次のとおり7割以上の重大な過失がある場合に限り減額されます。そのため、被害者の過失が大きいケースでは自賠責保険の方が保険金受取額が高額となる場合があります。

被害者の過失割合 自賠責の過失減額
7割未満 過失減額されない
7割以上8割未満 2割減額
8割以上9割未満 3割減額(ただし、傷害に係るものは2割)
9割以上10割未満 4割減額(ただし、傷害に係るものは2割)

慰謝料はいくら?

慰謝料とは、交通事故によって受けた精神的な損害を埋め合わせるための賠償のことをいいます。
精神的な損害というのは、事故による怪我の痛みが長引いて治療期間中に辛い思いをしたり、後遺障害が残存して将来にわたって生活全般に苦労を強いられたりといった、心理的なご負担のことです。

交通事故においては慰謝料についてもある程度基準ができており、主に入通院期間や後遺障害等級からある程度の慰謝料額を導くことができます。
一般的に、ムチ打ちのケースでは、6か月あまりの通院で100万円程度の傷害慰謝料が認められ、加えて、後遺障害等級14級が認定された場合にはおよそ110万円という後遺障害慰謝料が別途認められます。
もちろん、これは一般的な基準であり、難しい手術を行いリハビリが大変であったとか、自賠責の基準では認定に反映されない後遺障害があるなどの事情があれば、増額されることもありますので、できるだけ慰謝料増額事由を相手方に訴える必要があります。

自賠責保険・任意保険とは?

1 自賠責保険と任意保険の違い
自賠責保険は、原則として全ての自動車に付けることが義務付けられている強制保険です。原付(原動機付自転車)についても加入が義務付けられています。
他方、任意保険とは、加入が義務付けられていない保険のことで、自賠責保険でカバーされない損害を補完するものです。そのため上乗せ保険と呼ばれたりします。
自賠責保険は、死亡事故や人身事故の場合に、簡易迅速に被害者を救済するための制度ですので、次のような違いがあります。

自賠責保険
加入の義務:強制
賠償の範囲:物損は対象外
限度額あり(比較的低額)→下記のとおり
過失相殺:7割を超えるまで過失相殺されず、その割合も低い
請求手続き:簡便かつ迅速

任意保険
加入の義務:任意
賠償の範囲:法律上認められるべき賠償額まで
ただし、加害者から回収できない部分まで補填してくれる保険もある(車両保険など)
過失相殺:過失割合どおりに過失相殺される(ただし、車両保険などの特別な保険の場合は、過失割合に関係なく全額の支払を受けられる場合があります。)
請求手続き:交渉や訴訟など一般に時間を要する

自賠責保険の賠償限度額(※1)
傷害:120万円
後遺障害:75万円から4000万円(※2)
死亡:3000万円

※1 被害者1名あたりの支払限度額です
※2 後遺障害の等級(最も重い1級:最高3000万円から14級:最高75万円)に応じて支払われます。
神経系統・精神・胸腹部臓器に著しい障害を残して介護が必要な場合
常時介護のとき:最高4000万円
随時介護のとき:最高3000万円

2 加害者請求(一括払い)と被害者請求
一般的には、加害者側の任意保険会社と交渉し、任意保険会社から自賠責分を含めた損害額全額を支払ってもらいます。任意保険会社が、自賠責保険部分と上乗保険部分を一括して支払うことを、「一括払い」といい、一括払いを行う任意保険会社のことを「一括社」ということがあります。
一括払いをした一括社は、その後自賠責に対して、立て替えた自賠責分を求償していくということになります(この求償行為を、加害者側が自賠責に請求することから「加害者請求」といいます。)。これが通常の流れですが、任意保険会社(一括社)との交渉は時間がかかることが多く、その場合最終解決まで慰謝料などの賠償金を受け取れないこととなります。

そこで、まず先に一定額を回収したいという場合には、相手方の加入している自賠責保険を取扱っている保険会社(これを「自賠社」といいます。)に請求を行います。被害者が自賠責保険に請求するので、これを、「被害者請求」といいます。ちなみに自賠社がどこかは、交通事故証明書に記載されていますので、それで確認することができます。被害者請求により自賠責保険金を受領したら、その後、本来の賠償額との差額(上乗せ部分)について相手方の任意保険会社に請求していくという手順をとることになります。
当事務所では被害者請求手続きからも受任しておりますので、お気軽にご相談ください。

後遺障害が残ってしまったら?
ムチウチ(頸椎捻挫)など

1 症状固定と等級認定申請
治療を継続しても完全に治癒するまでに至らず、残念ながら後遺障害が遺ってしまうことがあります。このように、治療をしても症状の改善が見込めず、症状が固定した状態を症状固定といいます。

症状固定とは、正確には
「傷病に対して行われる医学上一般に承認された治療方法をもってしても,その効果が期待し得ない状態であって,かつ残存する症状が自然的経過によって到達すると認められる最終の状態に達したとき」(労働省労働基準局監修「労災補償障害認定必携」)
のことをいいます。

症状固定に至った場合には、自賠責保険に対して後遺障害の等級を認定してもらうことになります。主治医の先生に「後遺障害診断書」という書面を作成してもらい、必要書類を添えて自賠責保険に等級認定の申請をします。
この等級認定については、加害者の任意保険会社(一括社)にお願いすることもできますが、面倒でも被害者側で等級認定の申請をすることをお勧めします。
というのも、一括社を通じた等級認定では、どのような資料を送付したかがわかりませんが、被害者側で申請をすれば、認定されやすい証拠をできるだけ集めて提出することができ、より高い等級が認定される可能性が高まります。
また、これが一番大きなメリットですが、被害者側での申請の場合、認定直後に自賠責保険金を受領することができます(一括社を通じた認定の場合は、最終解決まで自賠責保険金分についても回収を図れないことがほとんどです)。
自賠責保険でできるだけ高い等級の認定を受けるためには、どのような基準で認定がなされるかを十分に理解した上で、主治医から意見書をもらったり、被害者の方ご本人の陳述書などを作成したりして、自賠責へ提出する必要があります。

2 ムチ打ち(頚椎捻挫)
交通事故で多く見られるのは、いわゆるムチ打ち(頚椎捻挫)です。
ムチ打ちは、治療期間(症状固定時期)や後遺障害等級認定をめぐって争点になりやすい怪我です。
よく聞かれるのが、ムチ打ちの治療期間は6か月程度というものですが、一概に言えるものではありません。保険会社が症状固定時期に至ったとして早期に治療費を打ち切ることがありますが、主治医とよく相談して症状固定時期を見極める必要があります。最終的に、症状固定時期は裁判において決定されますが、主治医が認定した症状固定時期はある程度重視されることになります。場合によっては、自腹を切ってでも治療を続けた方が良い場合があります。
ムチ打ちでは主に次のいずれかの後遺障害等級が認定されます(もちろん非該当となる場合もあります)。

12級13号
障害内容:局部に頑固な神経症状を残すもの
認定基準:事故により身体の異常が生じて、その異常により障害が発生したことが、神経学的検査結果や画像所見などの他覚的所見により、医学的見地から証明できるもの。

14級9号
障害内容:局部に神経症状を残すもの
認定基準:異常所見と残存症状が整合しているなど、事故により身体に生じた異常により、現在の症状が発生したと説明可能なもの。

14級は、単に自覚症状があるだけでは認定されにくく、継続的に通院していること、症状の訴えが継続し、かつ一貫していていること、異常所見と整合していることなどが重要となってきます。
さらに12級が認定されるためには、神経学的検査で異常が見られるとか、MRI画像上神経を直接圧迫しているとかいった客観的他覚的所見があり、それが自覚症状と整合していることなどが重要となります。

健康保険・労災保険は使えるのか?

1 健康保険(国民健康保険) 
健康保険(国民健康保険)は交通事故の時には使えないと言われることがありますが、それは間違いです。
健康保険法には、保険者は、第三者(加害者)の行為によって生じた怪我の治療などに保険給付を行ったとき、被害者が第三者(加害者)に対して有する損害賠償請求権を取得するとの定めがあり(同法57条1項)、国民健康保険法でも同様の定めがあります(同法64条1項)。
このような求償の定めがあることからわかるとおり、健康保険(国民健康保険)は、交通事故のような第三者(加害者)による怪我の場合にも適用されることが前提となっています。ただし、後述のとおり、労災保険が適用される場合には健康保険(国民健康保険)は適用できません(健康保険法55条、国民健康保険法56条)。
まれに、加害者の任意保険で払われるから自分の健康保険(国民健康保険)を使いたくないという方がおられますが、お勧めできません。場合によっては健康保険(国民健康保険)を使ったほうが実質的に受け取れる賠償額が増えることがあるからです。
例えば、100万円の治療費と60万円の休業損害が発生し、5割過失相殺されるとします。
すると、健康保険(国民健康保険)を適用しなければ、任意保険会社から総額80万円の支払いを受け取れるだけで、残りの80万円は全額被害者の負担となります。

計算式
(100万+60万)×0.5=80万円
各当事者の負担
加害者(任意保険会社)の負担:80万円
被害者の負担:80万円
健康保険(国民健康保険)の負担:0円

他方、健康保険(国民健康保険)を適用すれば、100万円の治療費のうち、一般の成人であれば7割(70万円)を健康保険(国民健康保険)でまかなうことができます。そのため、残り3割(30万円)の自己負担部分と休業損害60万円の5割相当分45万円を保険会社が支払うことになります。その後健保組合などの保険者が70万円の5割相当分35万円を任意保険会社に請求するという流れになります(上記求償のとおりです)。
保険会社の支払総額は80万円と変わりはありませんが、被害者は70万円の健康保険給付部分に加えて45万円を受け取れるわけですから、45万円の負担で足りることとなります。

計算式
100万円→健康保険(国民健康保険)から70万円、自己負担分30万円
(30万円+60万円)×0.5=45万円
70万円×0.5=35万円
各当事者の負担
加害者(任意保険会社)の負担:80万円
被害者の負担:45万円
健康保険(国民健康保険)の負担:35万円

さらに、健康保険(国民健康保険)を使った場合、自由診療よりも医療費単価が安くなりますので、その分任意保険会社から多く賠償金を支払ってもらうことを期待できます。
健康保険料を日々負担しているのですから、交通事故で使わないのはもったいないとしか言いようがありません。
なお、医療機関で交通事故による怪我の治療に健康保険(国民健康保険)を使う場合には、第三者行為による傷病届けを保険者に提出する必要があります。これは保険者が求償権を行使するためのものです。

2 労災保険
業務上又は通勤途中の交通事故であれば、労災保険を適用することができます。
労災保険の適用のある交通事故では健康保険(国民健康保険)が使えませんので、労災保険の申請を勤務先にする必要があります。
被害者の過失割合が大きい交通事故の場合には、労災保険の支給額の方が多額となる場合があります。
また、労災保険の後遺障害等級認定は、自賠責のそれより比較的ゆるやかに認定されるようです。
そのため、業務上又は通勤途中の交通事故の場合には、当初から労災保険を適用するようにした方がよいでしょう。
労災保険でも同様に、保険者に第三者行為災害届を提出する必要があります。

交通事故における弁護士の役割

交通事故に遭われた方にとって、お身体の治療が一番大事なことです。相手方や相手方の保険会社との交渉まで行うことは、できれば避けたいところだと思います。
また、交渉する内容が多岐にわたり、それが相場あるいは適正な金額なのかがわからず、任意保険会社のペースで話合いが進んでしまうことがあります。

労災保険や健康保険を使えるのか、症状固定時期の見極め、自賠責への被害者請求や等級認定にどの書類を添付するか、妥当な過失割合などなど、検討すべき事柄はいくつもあります。
とりわけ、交通事故では、自賠基準(自賠責保険の支払額)、任意基準(任意保険会社の内部基準)、裁判基準(裁判上認められる賠償額)と3種類の基準が存在し、通常、自賠基準、任意基準、裁判基準の順に賠償額が大きくなります。
弁護士は当然、裁判基準を前提に交渉しますし、任意保険株式会社も弁護士介入後は支払額を増額することがほとんどです。
そのため、交通事故における弁護士の役割は、被害者の方が治療に専念できるよう、被害者の方に代わって相手方と交渉するとともに、被害者の方に適時に正しいアドバイスをし、正当な額の賠償金が早期に入手できるように尽力することにあります。
交通事故における弁護士の役割は大きく、その分被害者の方から見れば、依頼することのメリットも大きいものと思われます。

弁護士費用
弁護士費用特約の活用

当事務所では、弁護士費用は、請求額を基準に一定の割合を乗じて算出しています。
交通事故の場合、判決まで行けば、賠償額の1割程度が、必要な弁護士費用(すなわち損害)として認定されます。そのため、ある程度の弁護士費用は相手方から回収することが可能です。

さらに、最近では、弁護士費用特約付きの任意保険が増えてきたため、弁護士費用を支払うことなく弁護士に依頼することができるようになってきています。弁護士費用の支払限度額は比較的多額で、ほとんどのケースでは限度額の範囲内で解決できます。

交通事故に遭われた場合には、まずはご自身の加入している保険に弁護士費用特約が付加されていないかご確認されることをお勧めいたします。また、万が一に備えて特約を付加することを検討されてはいかがでしょうか。弁護士費用の支払いを免れるとともに、支払いを受ける賠償金が増える可能性が高いため、お得な保険だと思います。

示談とは?

示談とは、被害者と加害者との間で賠償金額について合意することです。
示談の際には、通常「本合意書に定めるほか、当事者間には何らの債権債務のないことを確認する。」との精算条項が入れられることとなります。したがって、一旦示談してしまうと、後から高額な賠償金が受け取れたはずだとして覆すことは極めて難しくなります。
ただ、交通事故の場合には、示談当時に予期せぬ後遺障害が後から生じたということもあります。
昭和43年3月15日の最高裁判例では、次のように述べて、示談後の後遺障害についての賠償請求を認めました。

「全損害を正確に把握し難い状況のもとにおいて、早急に小額の賠償金をもつて満足する旨の示談がされた場合においては、示談によって被害者が放棄した損害賠償請求権は、示談当時予想していた損害についてのもののみと解すべきであって、その当時予想できなかつた不測の再手術や後遺症がその後発生した場合その損害についてまで、賠償請求権を放棄した趣旨と解するのは、当事者の合理的意思に合致するものとはいえない。」

もっとも、このような最高裁判例があるからといって、簡単に示談後の賠償請求が認められるわけではありません。示談をする際には慎重に検討して合意すべきことはいうまでもありません。