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取扱分野

不動産のトラブル

当事務所の強み

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借りる側・貸す側、売る側・買う側、それぞれの立場に応じて、的確なサポートを行います。

2

不動産のトラブルにはお金の処理も付きまといますが、できるだけご負担が少なくなるよう、税理士などと連携して総合的な解決を目指します。

賃貸トラブル ~借り手側~
(敷金・原状回復費用のトラブル)

生活を営む上で住居の問題は大きく、賃貸か所有か、いずれにせよ、不動産と共に生活しているといえます。
賃貸の場合によく聞かれるのが、借り手側では、敷金や原状回復費用のトラブルです。
敷金とは、居室などの物件を借りている賃借人が、それを明け渡すまでの間に発生する賃貸人に対する一切の債務(家賃滞納や居室に傷を付けるなどして与えた損害など)を担保するため、契約時などにあらかじめ貸主に預けておくお金のことをいいます。
居住用の不動産であれば家賃2か月分、事務所用の不動産であれば家賃半年分から1年分というのがよく聞かれるところで、契約時に差し入れることがほとんどです。

このように、敷金は、賃借中に、借主が貸主に与える可能性がある損害を担保するためのものなので、賃貸借終了後、借主が損害を与えていなければ、貸主はその全額を返さなければなりません。
しかし、この敷金を巡っては、原状回復費用についてトラブルになることが多く、この問題を懸念した国土交通省住宅局が、平成10年に、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」というものを出しています(平成23年には再改訂)。

ここでは、簡単に、原状回復費用と敷金との関係について説明します。
借主は、基本的には、賃借を終えれば物件を貸主に返還しなければならず、その返還の際には、賃借を開始した当時の「原状」に「回復」させる義務を負っています。
もっとも、原状回復といっても、借りた当時の「新品」の状態に戻す必要はありません。経年劣化や借主が普通の使い方をして起こった損耗(障子紙の日光による変色や、壁にポスターなどを貼っていた跡など)については、貸主が負担すべきと考えられているからです(貸主はこのようなリスクを家賃に上乗せして利益を得ているといえるからです)。
したがって、新品に戻すための費用を敷金から差し引かれることは不当であり、仮にこの費用が差し引かれた場合には、その返還を請求できます。

他方、借主の責任で起こった傷や汚れ(寝タバコをして付けた床の焦げ跡など)については、借主がその責任で元に戻すのが当然といえますから、この費用を返還されるべき敷金から差し引かれるのはおかしなことではありません。
敷金から差し引いていい費用なのかダメな費用なのかの一応の区別は以上のとおりですが、上記ガイドラインが詳しいですので、ご関心がある方はご参照ください。

賃貸借トラブル ~貸し手側~
(家賃滞納に対して)

次に、賃貸借を巡るトラブルで、貸し手側の場合によく聞かれるのが、家賃滞納の問題で、貸し手にとっては、約束どおりに賃料が支払われるかは、最重要事項の一つといえます。滞納家賃がある借主がいる場合に想定される対応策は、次のとおりです。

① 滞納家賃の回収
まず、管理会社などを通じた督促がされると思いますが、それでも支払いがない場合、通知文や内容証明郵便(◯か月分の滞納家賃があること、それを支払ってほしいこと、支払いがない場合には契約を解除することなどを記載します。)を送付します。
このような促しに応じた支払いがない場合には、裁判を利用して、滞納家賃請求訴訟を提起して回収することになります。

② 契約を解除して明渡しを請求する
また、そのような借主に物件から出て行ってほしい場合には、賃貸借契約を解除して、物件からの立退き(明渡し)を請求することになります。
さらに、促しに応じて退去しない場合には、①と同じで、裁判を利用して、明渡し請求訴訟を提起し、勝訴判決を得て、明渡しの強制執行まで必要なこともあります。
なお、契約の解除については、現在の借主は法律で相当に保護された立場にあり(借主にとって住居は生活の本拠であり、それが簡単に脅かされるようでは生活が成り立たなくなるので、借主保護の必要性が高いと考えられているからです。)、「信頼関係破壊の法理」といって、借主が貸主との間の信頼関係を破壊したといえる場合でないと契約を解除できないと考えられているので、家賃滞納が1,2か月程度では解除できず、少なくとも3か月以上の滞納が必要であると理解されています。

③ それ以外の方法
家賃を滞納している借主に対し、滞納家賃を請求し、契約を解除し、明渡し訴訟、その後の強制執行まで行うのは、時間と費用がかかります。期間でいえば少なくとも数か月、費用でいえば数十万円の弁護士費用がかかることもあります。
もっとも、滞納がある借主が任意に退去し、すぐに新しい借主が見つかればその賃料収入が得られますので、家賃を滞納している借り主に対し、「滞納家賃を免除するからすぐ出て行ってくれ」と交渉するのも、マイナスを最小限に抑えるための一つの対応策であるといえます。

なお、滞納家賃の請求については、そのほとんどが5年の時効にかかりますので、5年が経過すると請求が難しくなります。時効には注意が必要です。

売買に関するトラブル

不動産売買を巡っては、①契約したが、何らかの理由で、解除したり取り消したりしたい、②買主が代金を支払ってくれない、あるいは売主が登記の変更に協力してくれないなどのトラブルがよく聞かれます。

① 契約したが、何らかの理由で、解除・取消しをしたい場合
いったん契約をしてしまうと、「気に入らないから」、「気が変わったから」などという理由で解除をすることは難しくなります。
ただし、契約時に手付金を入れている場合の買主は、売主が契約の実行の準備に着手するまでの間なら、手付金を放棄することで、自由に解除することは可能です。
これ以外に解除や取消しをしたい場合には、売主が合意による解除に応じてくれない限りは、
①法律の規定に基づくか、②相手方の契約違反を見つけるか、③契約に詐欺や錯誤があったことを立証するか、④瑕疵担保責任を追及するか、などの方法によらなければなりません。
なお、①法律の規定とは、クーリング・オフ制度や消費者契約法の何らかの規定を利用することで、④瑕疵担保責任とは、売買の目的物に「隠れた瑕疵」(=注意をしても発見しがたい欠陥のこと)がある場合に、売主が買主にその損害を賠償したり、欠陥のために契約の目的が達せられない場合には買主による解除を認める責任のことです。
瑕疵担保責任を追及するには、大体の売買契約において、売主が瑕疵担保責任を負う期間が制限されているので(1年とか3年とか)その期間内に責任追及することが必要ですし、法律上、瑕疵を知ってから1年を経過すると責任追及ができなくなるとされているので、期間などには注意が必要です。

② 代金や登記の問題
ほとんどの不動産売買契約においては、代金の支払いと登記の移転が同時履行の関係にある(両者を交換条件的に同時に行う)ため、登記をしたが代金を支払ってもらえない、あるいは代金を支払ったのに、登記変更の協力をしてもらえない、というトラブルはさほど多くはありません。
とはいえ、何らかの理由で、代金支払い、あるいは登記の移転のどちらかが先行することがあり、トラブルに至ることもあります。
【不動産の売却代金請求】
この場合は、お金を貸したときと同じで、内容証明郵便の作成・送付、公正証書の作成、仮差押え、民事訴訟(代金支払い請求訴訟)の提起などの手段があります。
そして、この場合に重要な証拠となるのは、まず売買契約書、そのほか、当事者間でやり取りした書面があればその書面全部、それから、関係者の証言などです。また、必ずしも契約書がなくても、きちんと口頭の合意があったことを立証できる場合がありますので、契約書がないからといって諦める必要はありません。
【移転登記請求】
この場合も、上と同じで、内容証明郵便の作成・送付により、まず登記への協力を要請したり、民事訴訟(移転登記手続請求訴訟)の提起などの方法があります。
また、売主が移転登記をしてくれない場合、売主がその不動産を二重に売って利益を得ようとしていたりすることもあるので、その不動産に別の登記がされてしまわないよう(自分より先にほかの者に登記がされてしまうと、自分への登記ができなくなってしまい、代金の支払い損になるという最悪のケースもあり得ます。)、その不動産について売主に対し「処分禁止の仮処分」といって、売主が自分以外の者に売却したり登記を移転したりすることを予防する手段もあります。