刑事事件
勾留質問 こぼればなし
最近のコラムで勾留質問について触れました。
思い出したこと…
1)勾留質問は、ほかのコラムで書いたとおり、被疑者と裁判官と書記官、
この3人で小さな部屋(2〜3畳くらい)で行います。
私は当時まだ20代の裁判官(しかも女性)だったので、なかなか被疑者に裁判官と思われず、
よく被疑者が書記官(中年男性のことが多かったです)の方を向いてスタンバイしていました。
裁判官は「おじさん」、というイメージがありますものね。。。
2)覚せい剤取締法違反罪の被疑者で、まれに「キレメ」の状態(覚せい剤の禁断症状)で、
大暴れされることがありました。
このような場合は、安全に勾留質問を行えないので、
本来は、警察等の係官を部屋に入れてはならないのですが
(警察等の影響を排して、中立公平な立場で裁判官が話を聴くことに意義があるため)、
ドアを開けて、ドアのすぐ外に警察官にいてもらうなど、
安全確保にドキドキしながら手続をしたこともあります。
…以上、こぼればなしでした。
裁判員制度が定着し、裁判官も昔よりは身近な存在になったとは思いますが、
裁判所の奥で行われるこんな手続は、あまり知られていないかもしれません。
(勾留質問室は、被疑者の動線等を考慮し、裁判所の地下にあることが多いです。)
守秘義務に反しない範囲で書いてみました。